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どうも、京都府向日市リズム鍼灸院 の湯村です。
最近TVで禁煙外来のCMをよく見ます。見たことがないという方はこちらを。
小学校の参観日でしょうか、息子と父親が禁煙外来の説明を医師らしきひとから受けています。それを聞いて「行ってみるか」「行ってみようよ」となり、「禁煙は禁煙外来へ」と言って終わるこのCM。
この父親は自分が情けなくならないのか?
タバコをやめて欲しそうな息子を目の当たりにして、まだ病院に行かないとやめることができないんだとしたら、この父親大丈夫か?
これを見て「オレも禁煙するか」と思った方。禁煙外来なんて行かないで今すぐタバコを投げ捨ててください。それで禁煙できます。
他にも禁煙外来に関してはおかしなところがたくさんあるので、今回はその辺について突っ込んでいきながら、禁煙外来の内容について詳しく紹介します。
禁煙外来ってなに?
禁煙外来というのは、タバコをやめたい人に対して病院が治療を行う専門外来のことです。
ある一定の条件を満たせば、健康保険を使った治療を受けることができます。
ただしこの条件がかなり緩くて、受けようと思えば誰でも受けることができるものになっています。その説明の前に、禁煙外来に健康保険適用が認められた経緯を紹介します。
禁煙外来の歴史
禁煙外来は1990年代から徐々に増え始めたようですが、当時は患者の全額自己負担でした。それが、2006年4月から中央社会保険医療協議会の答申により保険適用が認められることになりました。
保険適用の審議では、適用に対して「喫煙は個人の嗜好であって、禁煙は自己責任である」といった反対の意見もあったようです。
しかし、推進派の「喫煙は肺がん、心臓病など将来の病気のリスクとなるため、治療の対象とすべき」という意見に押され、実施医療機関や対象者を限定する形で認められました。
つまり、将来の医療費削減のために病気のリスクとなる喫煙を減らす目的で認められたわけです。これは予防医学の観点からも間違っていないと思います。病院へ行ってやるほどのことではありませんが。
健康保険等を使って禁煙治療を受けるための条件
健康保険等を使って禁煙治療を受けるためには一定の条件を満たす必要があります。この条件をクリアしないと、健康保険での治療は受けることができず、自由診療となり全額自己負担です。
- ニコチン依存症チェックで5点以上
- 喫煙本数/日×喫煙年数/年=200以上
- すぐに禁煙を始めたい
- 禁煙治療に文書で同意している
1. ニコチン依存症チェックで5点以上
以下のニコチン依存症チェックシートで10問中5つ以上当てはまればクリアです。
参考 ニコチン依存症を判定するテスト TDS(Tobacco Dependence Screener)すぐ禁煙.jp(ファイザー)このチェックシート、質問は禁煙についての経験を確認するような内容になっています。禁煙に挑戦したことがあるひとなら、1度や2度は経験したことがあるだろう質問ばかりです。
そもそも今まで一回も禁煙について考えたことのないひとがいきなり禁煙外来へ来るわけありませんから、この質問内容だとチェックが付いて当然です。一体なにが知りたいのか?本当に禁煙したいかどうかの確認でしょうか?だとしたら、時間とお金を使って病院へ来ている時点でクリアでいいでしょ。
2. 喫煙本数/日×喫煙年数/年=200以上
これもクリアするのにそんなにハードルは高くありません。
例えば、喫煙本数 20本/日 × 喫煙年数 10年 = 200になります。
20歳から吸い始めて毎日1箱吸い続けていれば、30歳にはクリアできます。ヘビースモーカーからすれば簡単にクリアできる数値です。自己申告ですし。
3. すぐに禁煙を始めたい
健康保険を使う条件の中には「1ヵ月以内に禁煙を始めたいと思っている」というチェック項目があります。これ、わざわざ禁煙外来へ来たひとに確認するようなことか?
4. 禁煙治療に文書で同意する
問診票やニコチン依存症チェックシートに、日付や自分の氏名を書くだけでOKです。これは治療を始めるうえで、本人の意思確認のために必要でしょう。対象者を限定するという点では全く意味がありませんが。
以上4つの項目、健康保険等を使った禁煙治療の条件として緩々すぎて笑ってしまいます。全ての条件が自己申告制で真偽の確認もしようがないですから、クリアできないひとはおそらくいないでしょう。
この内容で「保険適用には条件が必要です」と言うには無理があります。実際には、受けたいひとは必ず受けれるシステムです。
禁煙外来の初回診察時に行うこと
医療機関によって多少異なるかもしれませんが、禁煙外来の初回診察時には以下のようなことを行います。
- ニコチン依存症かどうかチェック
- 一酸化炭素濃度の測定
- 「禁煙開始日」を決定し、禁煙宣言
- 禁煙経験の確認とアドバイス
- 禁煙補助薬の選択
1. ニコチン依存症かどうかチェック
先程紹介したニコチン依存症チェックシートと問診票を使って、患者がニコチン依存症かどうか医師が判断します。ここでどれだけの人数がはじかれるのか、データがないので分かりませんが、多分ほぼゼロだと推測します。
本人のタバコをやめたい意志が強ければ、この時点で受診拒否する理由がありません。
2. 一酸化炭素濃度の測定
呼気(吐く息)に含まれる一酸化炭素(タバコに含まれる有害物質)の濃度を専用の機械で測定します。この数値が11ppm以上になると基準値超えです。ただし、3~5時間タバコを吸わないと数値は半分になると言われています。なので、当日の喫煙状況を把握するのに用いられる場合もあるようです。
当日の喫煙状況の把握が目的だとしたら、この数値が低いからと行って治療を行わないということにはならないでしょう。
3. 禁煙開始日を決定し、禁煙宣言
医師と相談して禁煙開始日を決定し、「禁煙宣言書」にサインします。
何でしょうか、これ。もうギャグとしか思えません。誰に宣言しているんでしょうか?支援者とは何なんでしょうか?
4. 禁煙経験の確認とアドバイス
患者さんの健康状態や今までの禁煙経験・喫煙状況から、禁煙治療に関するアドバイスを医師が行います。ここで疑問に思ったことを聞いておくといいでしょう。
ただ、日本循環器学会が出している標準手順書に「禁煙治療問答集」として、約14ページに亘って患者との質疑応答の例が書かれているのが気になります。本来は医師が自分の判断で答えるべきもので、こんなに詳細なガイドラインを作る理由が分かりません。ただの杞憂ならいいんですが。
参考 禁煙治療のための標準手順書 第6版禁煙推進委員会5. 禁煙補助薬の選択
禁煙補助薬と言っていますが、これが禁煙治療のメインとなる治療法です。禁煙補助薬には、ニコチンを含むタイプと含まないタイプの2種類あります。
ニコチンを含むタイプ
ニコチンパッチ
ニコチンを含んだ薬をからだに貼ります。貼る場所は腕やお腹、背中など皮膚であればどこでも大丈夫です。毎日貼り換えますが、かぶれる心配があるので場所は毎回変えた方がいいです。
ニコチンガム
ニコチンを含んだガムを噛んで、口の粘膜からニコチンを吸収します。
ニコチンガムは普通のガムと噛む方法が少し違います。
ニコチンを含まないタイプ
チャンピックス
ニコチンを含まないタイプの薬だと「チャンピックス」が有名です。飲み薬です。
以上、禁煙外来の初回診察時に行う内容ですが、結局は患者本人の禁煙治療に対する意思確認の意味合いが強いように感じます。最終的に薬を出してもらう。そのために行う儀式のようなものと考えてください。
禁煙外来の治療期間と治療方法
禁煙治療の治療期間は12週間が一般的で、この期間に初回の診察を含めて合計5回の治療を受けます。
治療は毎回診察を受けて禁煙補助薬の処方をしてもらい、息に含まれる一酸化炭素(タバコに含まれる有害物質)の濃度を測定します。それから禁煙状況に応じて医師にアドバイスを受けます。
スタートから8日目までは、ニコチンを含まないタイプの薬「チャンピックス」を飲むだけで禁煙はしません。9日目から禁煙を始め、患者の喫煙状況やニコチン依存度によって禁煙補助薬の調整をします。
禁煙に失敗した場合
禁煙外来には一度でも治療を受けると、一年間は健康保険を使った治療はできないというルールがあります。禁煙に成功しようが失敗しようが関係ありません。でも逆に言うと、禁煙に失敗しても一年経てば何度でも禁煙外来を受診できるということになります。どこまでも甘やかすつもりです。
「過去に禁煙治療を行った方で再喫煙をしてしまっても、もう一度禁煙挑戦をお医者さんは待っています!」と説明していますが、いい加減にしろ。
タバコ代と禁煙外来の治療費の比較
禁煙外来の治療費の説明をするときに必ず出てくるのが、タバコ代との比較です。禁煙外来の費用と、その期間に吸っていたであろうタバコ代との比較です。これはかなりふざけた比較になっています。
まず、禁煙治療にかかる費用は自己負担3割の方だと、約13,000円~20,000円です。(治療期間8~12週)
これに対して、タバコ代は同じ期間で約24,000円~36,000円(1日1箱)かかり、禁煙治療にかかる費用の方が安くてお得です。と説明しています。
これを国がすすめているなら、かなりイカれてます。
タバコ代は全額自己負担&税収になる
1箱430円のタバコにどれくらい税金がかかっているか知っていますか?
タバコの価格には、国たばこ税、地方たばこ税、たばこ特別税、消費税の4つの税金が含まれていて、それらを全て合わせると64.4%になります。1箱430円のタバコだと276.73円が税金分です。
これは、国や地方自治体の税収になります。
たまにおっさんが、「俺はタバコたくさん吸って国に税金払ってるんだ」と言っていますが、まさにその通りです。
禁煙外来の治療費は国の予算を使っている
一方、禁煙治療は国の医療費を使って行います。患者の負担は3割ですが、残りの7割は国が負担しています。自己負担3割の方で約13,000円~20,000円の治療費だと、約43,000円~66,000円は国が負担しています。
この自己負担分3割と国の負担分7割はもちろん全額病院の利益です。
将来かかる病気のリスクを減らすことで、長い目で見ると医療費の削減になるという意見もあります。それなら、禁煙治療費は全額自己負担でいいんじゃないでしょうか。
タバコ吸うのもからだ悪くするのも全て自己責任です。それを国民が納める税金使って助けてくれって、自己中すぎてあきれます。
喫煙なんて基本自分の意思で止めれるはずですから、禁煙治療なんてムダなお金を使う必要はありません。本当に病的なニコチン中毒は別ですが、それなら保険適用の条件はもっと厳しくするべきです。
禁煙がOKなら、ダイエットでも健康保険使えないとおかしいんですよ。成人病のリスクの方が喫煙よりはるかに高いんですから。
タバコが吸いたいなら吸ったらいいよ税収にもなるし
禁煙外来の利用者が増えれば増えるほど、タバコからの税収が減って医療費が増えるというとってもよろしくない結果が待っています。これを「お得ですよ」と言っている今の現状は、病院が自分とこの利益しか考えていないという証拠です。国もタバコ業界も疲弊しますよ。
歩きタバコなどマナーの悪いひとはまだまだいますが、それでもひと昔前に比べればかなりマシです。僕の子どもの頃は、在来線のボックス席には普通に灰皿が設置されてて、おっさん普通にタバコ吸ってましたからね。今電車の中で吸おうものなら変人扱いですよ。タバコなんて分煙できてれば十分ですし、それも今はかなり進んできてます。
喫煙マナーさえしっかり守っていれば、好きにさせてあげればいいじゃないですか。税収も増えることですし。もっと社会が喫煙者に寛容になるべきです。それこそ医療費使ってまで必死こいて止めさせることかと。
生活保護受給者の問題
あとは生活保護受給者の問題も気になるところです。生活保護を受けている場合、基本医療費負担はありません。禁煙外来も自己負担ゼロで受診することができます。
よくニュースで、精神科医が生活保護受給者の患者に薬をバンバン出して、それを患者が転売して現金にする。という貧困ビジネスが取り上げられています。これと同じことが禁煙外来でも起こらないとも限りません。
ただ、禁煙外来は治療期間が決まっていて、一度治療を行うと一年間は禁煙治療ができないというルールがあります。しかし、額が少ないだけで不正は行われるでしょう。
生活保護受給者を使った新たな貧困ビジネスになる可能性も拭えません。
禁煙治療を行っている医療機関
禁煙治療に健康保険が適用された経緯の中で、「実施医療機関を限定する」という条件がありました。
つまり、全ての病院に禁煙外来があるわけではありません。基準はそんなに厳しい条件じゃないです。眼科でも耳鼻科でもいいようですし、設備投資もほとんどいりません。敷地内が禁煙とか禁煙外来じゃなくても当たり前になっていますし。
ちなみに僕が住んでいる京都で健康保険を使って禁煙治療を行っている医療機関は186件ありました。地域にもよりますが、これだけあれば受診が難しいということはなさそうです。
まとめ
今回は、「禁煙外来の費用・保険適用基準・治療内容のまとめ」を書きましたが、ホントにこれ必要なんでしょうかね?
やっぱり制度として緩い気がしてなりませんし、本気で禁煙させたいというより、新たに医療費のムダ使い先が増えただけのような気がします。
それを「一緒に禁煙がんばりましょう」なんて・・・。
タバコなんて誰かに強要されているわけでもなく、自分の意志で吸っているんだから。いい大人が自分のケツくらい自分で拭きましょうよ。
以上、最後まで読んでいただきありがとうございました。
ではでは。