お年寄りの「年取ると一年がアッという間にすぎるわ~」のナゾに迫る!

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どうも、京都府向日市リズム鍼灸院 の湯村です。

お年寄りの患者さんと話していると結構な確率で「年取ると一年がアッという間にすぎるわ~」といったような内容が出てきます。お年寄りあるあるなんでしょうか。

自分のこれまでの人生を振り返るとアッという間だったなという感覚はみなさんにもあると思います。それが80歳だろうが100歳になろうが振り返ってみるとアッという間に感じるのかもしれません。

ただよく考えると分かるように、このお年寄りあるあるはそんな内容じゃありません。

お年寄りが言っているのは、今まさに流れている『時間』が「年を取ると速く経過するように感じている」ということです。そんなことがあるんでしょうか?でもこれだけたくさんのお年寄りがそう感じているなら、そこにはなにか理由があるはずです。

そこで今回は、お年寄りの「年取ると一年がアッという間にすぎるわ~」のナゾに迫ってみます。

ではいっきまーす(o゚∀゚)o━!!

心拍数と寿命の関係

ゾウ

「年取ると一年がアッという間にすぎるわ~」の感覚には、『時間』と「心拍数」に秘密があると考えました。その考えのきっかけは、昔読んだこの本について思い出したからです。

この著書内に興味深い一節が。

寿命を心臓の鼓動時間で割ってみよう。そうすると、哺乳類ではどの動物でも、一生の間に心臓は20億回打つという計算になる。物理的時間で割れば、ゾウはネズミよりずっと長生きである。ネズミは数年しか生きないがゾウは100年近い寿命を持つ。しかし、もし心臓の拍動を時計として考えるならば、ゾウもネズミも全く同じ長さだけ生きて死ぬことになるだろう。

出典:ゾウの時間 ネズミの時間

つまり、どんな動物でも心拍数(心臓の拍動)が20億回打つと寿命に達するというのです。

そして、こう説明されています。

ゾウにはゾウの時間、イヌにはイヌの時間、ネコにはネコの時間、そしてネズミにはネズミの時間と、それぞれ体のサイズ応じて違う時間の単位がある。

出典:ゾウの時間 ネズミの時間

そこで、動物のだいたいの寿命と心拍数を調べてみました。

動物の寿命と心拍数
寿命心拍数/分
ゾウ80~100年40回
イヌ10~15年60~140回
ネコ15年120~220回
ネズミ2~3年600~1000回
ヒト80年60~80回

20億回という心拍数を各動物の心拍数で割ると、その動物の寿命とほぼ同じ数値になります(多少のズレはもちろんあります)。

例(ゾウの場合): 20億 ÷(40×60×24×365)= 95.1歳

猫や犬を飼っていると人間よりも寿命が短いことをかわいそうに思ったことってありません?ネズミにいたっては2、3年くらいしか生きられないですからね。「短い命だったね」なんて。

でも、どの動物も死ぬまでに心拍数20億回打っているとしたら、「ネズミはすぐ死んじゃってかわいそう、ゾウは長生きでいいね」とはならないんです。動物によって生きている間の時間の感覚が違うわけですから。

仮に時間の感覚が変わって、僕たちの心拍数が1000回にならないと1分が経過しないとしましょう。通常だと60~80回の心拍数で1分ですから、1000回数えると15分ぐらい経過していることになります。それが1000回心拍数を数えてもまだ1分しか経過してなかったら「えっ!?まだ1分しかたってないの?」ってなりますよね。

つまり心拍数の速い動物は、まわりの時間がひどくゆっくり流れているように感じているんです(あくまで僕たち人間と比較してですが)。

人の心拍数と『時間』の感覚

時間

ここまで、「心拍数の速い動物は時間がゆっくり流れているように感じる」と説明してきました。

それでは人の年代別の心拍数の一般的な正常値を見ていきましょう。

ヒトの年代別心拍数
  • 新生児・乳児:110~140回/分
  • 小学生:70~110回/分
  • 中高生:50~100回/分
  • 一般成人:50~90回/分

この数値から、子供の方が心拍数が速いことが分かると思います。これをさっきの「心拍数の速い動物は時間がゆっくり流れているように感じる」に当てはめると、

子供の方が時間がゆっくり流れているように感じるということになります。

そして成長するにつれ心拍数が遅くなると、「時間が速く流れているように感じる」ようになります。これが冒頭でお年寄りが言っていた「年取ると一年がアッという間にすぎるわ~」の正体ではないでしょうか。

つまり、年を取って心拍数が低下することで時間が速く流れるような感覚になるというわけです。

いま思い出しましたが、僕が小学生の頃「週間少年ジャンプ」で「聖闘士星矢」というマンガが連載されていました。

その中の紫龍の師匠である「五老峰の老子」は、アテナより仮死の法を受けて心臓が1年間に10万回しか動かなくなっていました。10万回というと人間の1日の心拍数です。老子はそのまま243年間も生き続けるんですが、実際には243日しか年を取りませんでした。

この話はまさに心拍数を下げることで、時間の感覚を速くして長生きしたというものです。この「心拍数」と「寿命」の関係を25年も前にすでに書いていた車田正美先生ってヤバくないですか?

まとめ

今回は、お年寄りの「年取ると一年がアッという間にすぎるわ~」のナゾに迫ってみました。

心拍数と寿命と時間まとめ
  • 心拍数の速い動物は時間がゆっくり流れているように感じる
  • 子供の方がお年寄りより心拍数が速い
  • 子供の方が時間がゆっくり流れているように感じる
  • 年を取ると心拍数が下がり時間が速く流れるように感じる

子供の頃の時間の感覚と大人になってからの時間の感覚が変化するために、「時間が速く経過する」という違和感を感じていたんですね。

現場からは以上です。

ではでは。

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