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どうも、京都府向日市リズム鍼灸院 の湯村です。
肩こりや腰痛のとき、みんな一度は湿布のお世話になったことがあると思います。
痛いところに貼っておくと楽になることもありますし、実際僕のとこに来ている患者さんにも使っている方が多いですね。
でも「どんなときに貼ってます?」と聞くと「よく分からないけどとりあえず貼ってる」って人がかなり多いです。痛いからって何でもかんでも湿布貼っとけばいいってものでもないんですけどね。
そこで今回は、湿布の効果・持続時間・貼っていいケースなどまとめて解説していきます。あと肩こりに本当に効果があるのか?これについても一緒に。
ではいっきまーす(o゚∀゚)o━!!
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湿布の効果について
突然ですが、あなたに質問です。患者さんからこんな質問をされたら何て答えます?
ここで、『いいですよ、湿布貼って様子見てください』と答えた人は残念ながら不正解です。いつまでたっても患者さんの膝の腫れは治らないでしょう。しかし実際はこんな指導をする医師も多いんですけどね。
僕ならこう答えます。
アイシングは氷のう一択
膝が腫れるのは、膝に熱がこもっているからです。場合によっては膝に水が溜まることもあります。
ちなみに膝に水が溜まるのは、膝の熱を下げるために膝に水分が集まったためです。これについてはこの記事に詳しく書いてあるので読んでみてください。
膝に水がたまる原因と治療!何度も膝の水を抜いてる人はまずこの3つやってみてつまり、できるだけ早く熱を下げてやるために膝をガンガンに冷やすんです。
「えっ!?それじゃあ湿布でもいいんじゃね?」こう思った人もいるでしょう。でも湿布じゃ熱は下がらないんですよ。実は湿布の効果は熱を下げることじゃないんです。
湿布の効果は炎症を抑えること
湿布の効果が熱をとることじゃないとしたら、湿布の効果って何なんでしょう。
「サロンパス」で有名な久光製薬のHPでは以下のように説明されています。
サロンパスの特長
- サロンパスAeは、血行を促進するビタミンEや炎症を抑え痛みを鎮める作用をもつサリチル酸メチルなどを配合しています。
- サロンパスAeは、基剤に高分子吸収体を使用して汗を吸収し、皮膚刺激を抑えた、カブレにくい外用鎮痛消炎剤です。
サロンパスの効能・効果
肩こり、腰痛、筋肉痛、筋肉疲労、打撲、ねんざ、関節痛、骨折痛、しもやけ
出典:久光製薬株式会社
これによると、湿布の効果は炎症を抑えることだということが分かります。
炎症について
「炎症」というのは捻挫したときに赤くなって腫れますよね?あれですあれ。あの赤くて熱っぽいのが炎症の症状です。
もう少し詳しく説明しておくと、炎症の代表的な症状には以下の5つがあり、「炎症の5大徴候」と呼ばれます。
- 発赤=赤くなる
- 発熱=熱っぽくなる
- 腫脹=腫れる
- 疼痛=痛む
- 機能障害=動きが悪くなる
湿布はこの炎症症状を抑えてくれる働きがあるんです。
炎症反応の原因と症状とは?炎症について世界一分かりやすく解説!熱があるときは湿布を貼るな!
湿布が炎症を抑えてくれるなら、先ほど説明した炎症の5大徴候の②にあった「発熱=熱っぽくなる」も改善されそうですよね。
熱は血液が運んでいるので、血液がたくさん流れればその部分は熱を持ちます。確かに湿布を貼ると薬が皮膚から吸収されて血液の流れを抑えるため、熱の上昇を防いでくれそうです。
でも実際の湿布の効果は熱を下げるというより、血管を細くして血液の流れを抑え、痛み物質が流れて来ないようにする「消炎鎮痛」の方がメインになります。これ、結局痛み止めの薬と同じ効果なんですよね。
ちなみに飲み薬と湿布を比べると、湿布の方が薬を吸収しにくいため「消炎鎮痛」の効果は落ちますからね。
正確に言うと、皮膚の表面温度は少し下がるんですがその下にある筋肉の温度には影響していません。
つまり、冷たい気がするだけで実際にはからだを冷やしていないんです。
湿布(冷湿布)にはスースーさせるメントールの成分が入っているため最初は冷たく感じますが、むしろ湿布を貼ってる場所に汗をかいて蒸れたりして、かえって体温が上がることもあります。
だから熱があるときは湿布を貼ってる場合じゃありません。ちゃんと氷水などで冷やしましょう。
あと「温湿布」にも温める効果はないので、冷湿布と温湿布で迷う意味はありません。どちらもほとんど似たような効果ですから、好きな方を使えばいいでしょう。
腰痛で湿布を貼るときに悩む疑問ベスト3に答えてみた湿布の持続時間について
湿布の持続時間についてまず最初に言っておきたいのは、湿布って貼ってもすぐには効きませんからね。
先ほど説明したように、湿布は肌に貼ってそこから薬が吸収されていくんですが、効果が出るまでに少し時間がかかります。
吸収され始めた薬の効果はおよそ4時間で最大になり、24時間その効果が持続すると言われています。
『だったら24時間貼っておいていいの?』となりますが、久光製薬HPにはこうあります。
どのくらい効き目が持続しますか?
5~6時間を目処にご使用下さい。ただ、同じ箇所に連続使用される場合は、肌に負担がかかりますので、貼り替え時に時間を空けていただくようお願いいたします。
成分に「インドメタシン」「フェルビナク」を含む商品は12時間、「ジクロフェナクナトリウム」を成分に含む商品は24時間を越えて貼り続けないで下さい。
出典:久光製薬株式会社
これによると、湿布に含まれている成分によって貼っておいてもいい時間は違いますが、使用時間の目安はおよそ5~6時間のようです。
さっき「湿布は24時間その効果が持続する」と説明したばかりですが、そうすると「湿布の持続時間」と「使用時間の目安」にかなりの誤差があることが分かります。
つまり、効果は24時間ぐらいあるけど貼るのは5~6時間にしといてねってことです。なぜか?これはおそらくからだへの影響を考えてのことだと思います。
湿布のからだへの影響
湿布は痛み止めの薬ほどじゃないとはいえ、皮膚から薬が浸透して血液の中に溶け込んでからだへ影響を与えます。
血液に溶け込んだ薬の成分は湿布を貼ったところだけに効くワケではなく、痛み止めの飲み薬と同じように全身を巡って内臓へ負担をかけます。
もし湿布を24時間貼っていたら、薬の成分が絶えずからだの中へ入っていくことになりますよね。さらに毎日からだ中に湿布を貼ってたとしたら、からだへ何らかの影響が出てもおかしくないでしょう(副作用として考えられるのは胃粘膜障害や腎機能障害などでしょうか)。
湿布の使用時間の目安が5~6時間になっているのも、貼り替え時に時間を空けるよう説明書きがあるのも、からだへの影響を考慮してだと思います。
湿布を貼っていいケース
ここまで痛いところに熱があるときは湿布を貼らないように、と説明してきました。では貼ってもいいケースはどんなときでしょうか。
慢性的な肩こりや腰痛にも多少の炎症は起こっているんですが、発赤・発熱・腫脹といった炎症症状はほとんどありません。
肩こりの人で、肩が真っ赤になって腫れてるひと見たことないですよね?もしいたらそれはなにか別の病気です。すぐに病院で検査受けてくださいね。
痛いところに熱がない肩こりのような症状なら湿布を貼るのはOKだと思います。熱があるかどうか分かりにくいときは、痛い方と反対側(右肩なら左肩)の体温と比べてみるとはっきりするからやってみてください。
それからあくまでも湿布は一時しのぎだと思ってください。痛み止めの薬と同じで残念ながら慢性的な痛みの根本的な解決にはなり得ません。ですからあんまり湿布に頼らないように。
ちなみに僕のとこに治療に来るのが最善の方法だということは言うまでもないですからね。お会いできるのを楽しみにしています。
あとは、肌が弱い、湿布にアレルギーがあるなど自分のからだの状態と相談しながら使うこともお忘れなく。
まとめ
今回は、湿布の効果・持続時間・貼っていいケースなどまとめて解説しました。
- 湿布じゃ熱はとれない
- 熱があるときは氷水で冷やす
- 湿布は炎症を抑える
- 「湿布の持続時間」と「使用時間の目安」は違う
- 湿布も痛み止めの薬と同じで負担がかかる
- 熱がない肩こりや腰痛には貼ってOK
- ちゃんと治したいならリズム鍼灸院へ
こんなとこでしょうか。
湿布をいつ貼っていいのか、意味があるのかと悩んでいる人はぜひ参考にしてください。
ではでは。
とても参考になりました。ありがとうございました。近くの病院に行ったら暖められてよけいに痛くなって困っていました。膝が熱くなり水が貯まっていたのに、お風呂で暖めていました。今日からはしっかり冷やします。京都は遠くて行けないので残念です。
奥田さん、参考になったようで何よりです。
医師でも間違えることはあるので自分で考えることが大事ですよね。このブログがそのキッカケになってくれればサイコーです。京都観光にお越しの際にはお待ちしてます(笑)
はじめまして。
私の母なんですが右肩が腫れて痛みがあり手があまり上がらない状態です 病院に行ってもあまりよくならなくて…この場合は温湿布で温めた方がいいのでしょうか?赤くはなっていません。よろしくお願いします
久宗ゆかりさん、コメントいただきありがとうございます。
お母さま、右肩が腫れて痛みがあり手があまり上がらない状態のようですが、病院で検査をされて何か診断名がついたのでしょうか?
原因不明で右肩が腫れているのだとしたら別の病院で検査をしてみてもいいのではないかと思います。
湿布に関しては記事にも書いてあるように、温湿布でも冷湿布でもどちらを貼っても大差はありません。貼って気持ちのよい方でいいと思います。
また何かありましたらご相談ください。